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新しい食品表示法に対応する

日本の食品表示法では消費者等に販売されるすべての食品に食品表示が義務付けられています。筆者もかかわったので忘れないようにメモを残しておきます。

詳しくは、消費者庁が早わかり食品表示ガイドを発行しております。食品表示に関わる方は一度目を通すことをお勧めします。

表示内容は商品によって変わります。その分類は「農産物」「畜産物」「水産物」「玄米及び精米」「加工食品」となりますが、ここでは主に「加工食品」に分類される商品の「原材料表示」「栄養成分表示」「アレルギー表示」について触れたいと思います。

この記事は2019年12月に執筆しております。以降の法令変更は反映されておりませんのでご承知おきください。

加工食品における表示義務

加工食品を消費者向けに販売する際に表示が必要な項目は次の9つです。

  1. 名称

    表示をしようとする加工食品の内容を示す一般的な名称を表示する、となっています。

  2. 保存の方法

    商品の特性に従い「直射日光を避け、常温で保存すること」「10℃以下で保存すること」などと表示します。

  3. 消費期限または賞味期限

    品質が急速に劣化する食品には「消費期限」、それ以外のものは「賞味期限」を表示します。日付の記述方にもルールがあります。

    賞味または消費期限まで3か月以内のものは日付を含めて次のいずれかで記述します。

    • 令和2年1月3日
    • 2.1.3
    • 2020.1.3
    • 20.1.3

    消費期限まで3か月を超えるものは日付を含めず次のいずれかで記述します。

    • 令和2年1月
    • 2.1
    • 2020.1
    • 20.1

    .(ドット)の印字が不可能な場合は省略できます。省略する際1桁の数値には左側に0を埋めます。例2020年1月3日→20200103

  4. 原材料名

    使用した重量の割合の大きいものから順に、で区切って記載します。2種類以上の素材から構成される複合原料を使う場合は複合原料名の後にかっこを付けてさらにその内訳を記載します。

    例:じゃがいも、マヨネーズ(食用植物油脂、卵黄、醸造酢、香辛料)

    複合原材料の有無が商品の性状(見た目だと思って下さい)に影響を与えていないときは、分割して記述できます。

    例:じゃがいも、食用植物油脂、卵黄、醸造酢、香辛料

    ただし複合原材料に一般的な名称がある場合や性状に変化がある場合は、分割することはできません。たとえば「どらやきの皮」は分割して小麦粉...と記載してしまうと皮が何でできているかわからなくなってしまうのでできません。

    複合原材料の素材をかっこの中に記す際、割合の高い順が3位以下であってその割合が5%未満である場合は「その他」と表示することができます。

    また複合原材料が全体の5%未満である場合または、複合原材料名称からそれを構成する原材料があきらかな場合は構成の表示を省略できます。

  5. 添加物

    添加物は原材料と明確な区分けが必要となっています。別項目を設けるか原材料名の後に/で区切って重量の大きい順にで区切って並べます。

  6. 内容量

    重量はグラムまたはキログラムで、体積はミリリットルまたはリットルで、数量は個数で表示します。

  7. 栄養成分量

    100g、100ml、1食分、等の単位とともに、熱量(カロリー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量)を表記します。

  8. 事業者の氏名または名称、住所

    表示内容に責任を有する者の氏名または名称、住所を表示します。製造業者である場合は「製造者」、加工業者である場合は「加工者」、輸入業者である場合は「輸入者」とするのが基本です。製造者や加工者に代わって販売業者が表示する場合は「販売者」となります。

  9. 製造所または加工所の住所及び、製造者又は加工者の氏名または名称、住所

    事業者と同一の場合は省略できます。

一定の要件に該当する場合に表示する必要があるもの

上記の9項目に加えて、次の8項目は該当する場合表記が必要です。

  1. アレルゲン

    アレルゲンは7種の表示義務原材料と、21品目の表示推奨原材料に分かれますが書き方は共通です。

    アレルゲンの書き方は2通りあり、原材料名の後に都度記す個別表示と、最後にまとめて記す一括表示があります。

    個別表示の例

    原材料名:じゃがいも、にんじん、ハム(卵・豚肉を含む)、マヨネーズ(卵・大豆を含む)、たんぱく加水分解物(牛肉・さけ・さば・ゼラチンを含む)/調味料(アミノ酸等)

    一括表示の例

    原材料名:じゃがいも、にんじん、ハム、マヨネーズ、たんぱく加水分解物/調味料(アミノ酸等)、(一部に卵・豚肉・大豆・牛肉・さけ・さば・ゼラチンを含む)

    表示義務のある7品目は、卵、乳、小麦、かに、えび、そば、落花生です。

    推奨の21品目は、あわび、いか、いくら、さけ、さば、鶏肉、豚肉、牛肉、くるみ、カシューナッツ、大豆、ごま、オレンジ、キウイ、バナナ、もも、りんご、ゼラチン、まつたけ、アーモンドです。

    アレルゲンを併記する場合は「、」ではなく「・」で区切ります。一括表示の場合は「一部に」という文言をつけます。

  2. L-フェニルアラニン化合物を含む旨

    代表的なものに「アスパルテーム」があります。

  3. 特定保健用食品に関する事項

    国の審査を通過することにより特定保健用食品(トクホ)の表示が可能です。

  4. 機能性表示食品に関する事項

    消費者庁に届け出をだすことにより、根拠のある機能を表示することができます。

  5. 遺伝子組み換え食品に関する事項

    大豆・老もろこし等の加工食品においては「遺伝子組み換えのものを分別」「遺伝子組み換え不分別」等の表示が義務付けられています。表示ルールは細かく定められているので早わかり食品表示ガイドをご確認ください。基本的には非遺伝子組み換え農産物を使用しているなら表記不要(任意表示)です。

  6. 乳児用規格適用食品

    1歳未満を対象にした乳児用規格に適用されると表示できます。

  7. 原料原産地名

    扱う商品によっては、原料原産地名表示が必要な場合があります。早わかり食品表示ガイドをご確認ください。

  8. 原産国名

    輸入品は原産国名が必要です。

熱量やたんぱく質、脂質、食塩相当量はどうやって?

成分表示には推定値での表記が許されています。その場合「(推定値)」という記載もして下さい。 文部科学省が公表している「日本食品標準成分表」が推定に利用できると思います。

こちらの記事では実際に「日本食品標準成分表」のデータを使って栄養成分表示の計算をしています。

ラベルを作ってみる

食品表示ラベルを業者に依頼して作成することもできますが、複数枚数が必要だったり、賞味期限が変わったり、原材料が変化したりすると無駄になったり高くつくことがあります。家庭のプリンタでも作成できる環境が整っています。ラベルサンプルもございますので、ぜひ次の記事も併せてご確認ください。

ちなみに賞味期限は「商品上部に印字」等の記載方法をして分かち書きすることも可能です。

筆者紹介


自分の写真
がーふぁ、とか、ふぃんてっく、とか世の中すっかりハイテクになってしまいました。プログラムのコーディングに触れることもある筆者ですが、自分の作業は硯と筆で文字をかいているみたいな古臭いものだと思っています。 今やこんな風にブログを書くことすらAIにとって代わられそうなほど技術は進んでいます。 生活やビジネスでPCを活用しようとするとき、そんな第一線の技術と比べてしまうとやる気が失せてしまいがちですが、おいしいお惣菜をネットで注文できる時代でも、手作りの味はすたれていません。 提示されたもの(アプリ)に自分を合わせるのでなく、自分の活動にあったアプリを作る。それがPC活用の基本なんじゃなかと思います。 そんな意見に同調していただける方向けにLinuxのDebianOSをはじめとした基本無料のアプリの使い方を紹介できたらなと考えています。

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