栄養成分表示ラベルを自作する
フリーアプリを使って食品表示法にのっとった栄養成分表示のラベルの自作をしてみたいと思います。成分表を小さなサイズのPDFファイルにして、市販のシール台紙に並べて印刷して商品に貼りつけます。
ここではフリーで使えてPDF出力できる線画ソフトLibre Office Drawを使いますが、Microsoft WordやINKSCAPE(フリーソフト)での作成も可能です。
出来上がった1枚のPDFラベルを用紙サイズいっぱいに並べるWebツールはリンク先にてご用意していますのでよろしかったらご利用下さい。
また、栄養成分の計算方法については「食品表示法の栄養成分を自分で計算」で書いていますので、よろしければ合わせてご覧ください。
注意点
先に作成時の注意点を上げておきます
食品表示で使用できる文字の大きさには最小値があります。文字のサイズは8pt(ポイント)以上が原則です。ただし表示可能面積が150c㎡以下の場合は5.5 pt以上と少し制限がゆるくなります。
アプリケーションのフォントサイズはたいていpt表記だと思いますが、ポイントをミリに換算する場合は、値に0.3528をかけます。
また、栄養成分のタイトルは栄養成分表示と正確に記す必要があります。
そして、もし栄養成分の実測値ではなく個々の食品からの積み上げで計算した場合は、推定値等、その旨を記載する必要があります。
なお、アレルゲンの表記についてはここでは触れていません。必要な場合は別途記載してください。
食品表示ラベルの作成
ここでは、ナカバヤシA4 10面のシール台紙を横にして使う前提で、1枚のPDFのサイズをサイズは50.8mm×86.4mmとしています。
LibreOffice Drawを立ち上げたら、上部タブから「ページ」を選択しサイズを指定します。このアプリではサイズ指定がmm(ミリ)ではなくcm(センチ)での指定になっているので注意してください。
「表」の機能を利用すると作業が軽減されるので、上部タブの「挿入」から「表」を選択してください。2列×7行で作成しました。
ここでは商品によくあるように表形式にしますが、そうしなければならないということではありません。「●栄養成分表示(100gあたり) エネルギー439kcal...」というようにつなげて書く方法でも許されます。
「表」は全体を選択しているモード、「各セル」を選択しているモード等あり最初は操作がわかりづらいかもしれません。表全体が選択されているモードから、下段に出ている「罫線の色」を使って枠を黒に、「塗りつぶし」を使って表を白に塗りつぶします。
文字の設定は、入力した文字を選択した状態で、右クリック「文字の書式」を選んで設定します。「西洋諸言語用」「アジア諸言語用」ともに同じフォントとサイズにしてください。Libre Office Drawでは5.5ptという文字サイズの設定が選択肢の中にありませんでした。手入力で5.5とすれば反映する様子でしたが、何か不具合が起きるのも嫌だったので6ptとしました。
フォントはMS ゴシックが無難でしょうか? 見づらい文字でなければ好みのもので構わないと思います。
余談になりますが、「MS Pゴシック」と、Pのついているフォントがあります。このPはプロポーショナルフォントの略です。プロポーショナルフォントとは文字によって幅が変わるフォントです。
下のサンプルを見てください。上段が「MSゴシック」で下段が「MS Pゴシック」です。プロポーショナルフォントを使うと画数の少ない文字や小文字の幅が狭くなります。デザイン的にすっきりしますが、文字数で幅が決まらないので用途によっては扱いが難しいです。
セル内部の上下の余白が大きすぎると感じたら、右クリックの「表のプロパティ」→「外枠」→「パディング」より上下の余白を設定してください。
表の縦線や横線の場所は後から調整できますが、縦線は行数に関係してくるので最初の段階でおよその位置を決めておくと後から楽です。
セル内部の右・左・中央揃えの設定は、右側にあるバーの「プロパティ」より、文字のプロパティを出して、そこにある段落のアイコンで設定できます。
「プラ」「紙」QRコード等の画像の挿入や、表外のテキストボックスの挿入は上部のバーよりできます。
熱量等の栄養成分表示はもう一つ表を作って該当の場所に乗せていいます。こうすると文字位置の調整が楽です。
必要事項を設定し終えたら、上部バーより「ファイル」「エクスポート」で「ファイルの種類」を「PDF」にして保存してください。
PDFのオプションでは、デフォルトのままでもかまいませんが、「ロスレス圧縮」を選択し「画像解像度を下げる」のチェックを外した方が画像はきれいになります。