Windows10でネットワークがつながらない時
ネットワークが不通になる原因はいろいろあります。原因をつきとめて対応するためにいくつかの推測や試行錯誤が必要です。
配線を入れ替えた、アプリをインストールした、ルーターを買い替えた等、直近の出来事に関連する事柄から確認していくのが近道です。
ここでは原因となりそうなものをカテゴリー分けをして確認方法を紹介していきます。
電源まわり
ネットワーク回りの装置の電源はONが基本です。いずれかの装置で電源がOFFになっていないか確認してみましょう。現状電源が入っている場合でも、一度電源を落として入れなおしてみると改善する事があります。
装置別に症状を見ていきます。
- ルーター
ルーターの電源が切れていたり故障すると、ネットワークが繋がりません。配線の構成によっては家の中のPCやスマホ間つながるのだけれど、インターネットに出られないという現象も起きます。
- ONU
ONUは電話回線(壁)からつながっている機器です。ルーターは一部の例外を除いてこのONUとつながっています。光回線用の装置です。この電源が切れているとインターネットにはつながりません。もうあまりいないかもしれませんがADSLを利用されている場合はADSLモデムというものになります。
- ホームゲートウェイ
光電話と一緒に契約していると「ホームゲートウェイ」と呼ばれるが提供されている場合があります。これは、ONUとルーターが一緒になったようなものです。この電源が切れているとルーターの電源が切れているのと同様の症状がでます。光電話使用時はホームゲートウェイの電源が切れていたり故障していると電話にも影響が出ます。
- スイッチングハブ
LANケーブルをタコ足にして増やしたり、延長したりする際に用いる機器です。これの電源が落ちていると、ここにつながっているPCや装置だけ全くネットワークが利用できなくなります。
LAN配線まわり
ネットワーク配線はつながっていることが基本です。ただし後述しますがループはしないように気を付けてください。
- 断線
線が踏まれて断線したり、接続口のピンが折れたり錆びたりすると通信だけできなくなります。発生場所により症状が全体に及んだり、一部だけの症状になったりします。
ほかLANケーブルのプラグ部の爪が折れて機器から外れかけていたりすることもあります。
またクロスケーブルといった結線が通常とは違うケーブルも存在します。購入直後なのにつながらない場合にはそれが原因かもしれません。
怪しい線があったら一度交換して確認してみましょう。
確認のしかたは機器側にあるランプを手掛かりにします。一部ランプがないものもありますがLANケーブルの接続口にあるものが多いです。基本的にランプが点灯か点滅していれば接続されています。原則、両側の装置の電源は入っている必要がありますが、PCの場合は電源が切れていてもLAN部は待機していることがありその場合はランプが灯きます。
一般的な接続口にあるランプは、爪を上側にみて右側のランプが「リンク」で接続状況、右側が「アクト」で通信状況を示します。アクトは点滅で通信中であることを示したり、色で速度を示したりします。
線を変えてもダメな場合は、ピンの状態をのぞいてみましょう。よく抜き差しする場所だと4本あるはずのピンが折れてなくなっていたり錆びていたりするかもしれません。
そのような場合は差し込む場所を変えるか、PCならLANアダプタを別途用意する、機器を入れ替えたりします。
あと、LANケーブルではありませんが壁からONUやホームゲートウェイにつながる光回線のケーブルが痛むということも考えられます。このケーブルはLANケーブルに比べて折り曲げに弱いです。家具の下に入って変形したりしても通信不良の原因となります。この場合もONUの「光回線」のランプが点灯しているかどうかで確認が可能です。
- ループ状態
ネットワークのどこかでループが起きているとデータが行き所なく回り続けネットワーク障害を引き起こします。
thanks for network icon image to sozai.cman.jp
ループが起きている際はスイッチングハブやPCなどのケーブル接続口のランプの多数が途切れることなく点滅しています。ルーターやスイッチングハブの電源を落とすとループがなくなり症状が治まりますがループ自体を解消しなければいずれ再発します。
- 通信障害
Wi-Fiにおいて電子レンジやコードレス電話を使っている最中は接続できないという事があると思いますが、この現象は有線のLANでも起きます。
電子レンジのすぐ裏に入っていたり、電波の出す配線と一緒に束ねられていたりして通信ができない事があります。また故障しかけたLAN機器からノイズが入ってきていたり、漏電が原因というケースもあります。
ただし、この場合は完全に通信できなくなることはまれで、速度が遅かったり途切れたりするという症状になると思います。
端末の設定(利用端末側)
装置環境に問題なければ端末OSの設定を確認していきます。ここからは端末に合わせた設定操作が必要になってきます。
- インターフェースが無効になっていないか
コントロールパネル→(ネットワークとインターネット)→ネットワークと共有センター→アダプター設定の変更と進みます。
()内の表記はコントロールパネルがカテゴリー表示の時に選択します
ここにネットワークアダプタの一覧が出てきます。「イーサネット」や「ローカルエリア接続」等の名前があるものが無効になっていないか確認します。
無効になっていたら、右クリックから「有効にする」を選択します。有効にしてもつながらないようなら再び右クリックから「無効にする」で元にもどしておきましょう。
もしここに何も表示がでていなかったらネットワークアダプタの不具合です。完全な故障の場合のほか、Windows Update直後とかならネットワークドライバがUpdateについていけなかった可能性もあります。
詳細はデバイスマネージャから確認してみます。コントロールパネル→(ハードウェアとサウンド)→デバイスマネージャーで、「ネットワークアダプター」を開き、中から利用しているアダプタ名を探してください。Ethernetという文字などが目印になると思います。!マークがついていたらおそらくそれです。
ダブルクリックで、ドライバタブを表示します。もし、USBLANアダプタ等他にネット環境につなげられるのなら、メニューから「ドライバーの更新」を実行してみます。もし、ネット環境に出られないのなら「ドライバーの詳細」から表示される情報を頼りに、スマホ等でインターネットからドライバをダウンロードしてきてUSB経由でPCにコピーします。その後「ドライバーの更新」で手動で選択しコピーしたドライバをインストールします。
デバイスドライバでもLANアダプタを認識していないとなるといよいよ故障が疑われます。昔の話なので参考にはならないかもしれませんが、筆者の経験ではBIOSの設定でLANアダプタが無効になっていたこともありました。
- ファイアウォール
Windowsのネットワークセキュリティーを担っているファイアウォールですが、この設定がおかしくなると通信できなくなることがあります。
コントロールパネル→(システムとセキュリティ)→Windows Defenderファイアウォール→Windows Defenderファイアウォールの有効化または無効化と進みます。表示されているすべて項目を無効にしてみて接続できるか確認してみましょう。効果があってもなくても、再度有効にしてください。
ファイアウォールを無効にした時に接続できる場合は、そのどこかが書き換わってしまった可能性が高いのですが、ファイアウォールのエントリーは多数あります。原因が特定できない場合は「規定値に戻す」という選択もありますが、アプリがインストール時に自動で通過許可設定をしたエントリー等も消えてしまうので一長一短です。
またはWindows10にはプライベートネットワーク、パブリックネットワークという概念がありパブリックネットワークの方がファイアウォールによる制限が強くなります。もし現在のネットワークがパブリックネットワークだったらプライベートに変更してみましょう。
スタートボタン→歯車→ネットワークとインターネット→イーサネット→対象のネットワーク名→でプライベートかパブリックかを変更できます。
- IPアドレスの状態
IPアドレスとDNSサーバーが自動取得になっているか確認してみましょう。固定アドレスで運用しているときに自動取得、自動取得で運用しているときに固定になっていたらおそらくそれが原因です。
先ほどの「アダプター設定の変更」の画面より対象のアダプタをダブルクリック→プロパティ→「インタネットプロトコルバージョン4 or 6(利用している方)」をクリックして現在の内容を確認できます。
ルーターの設定
端末の設定がおかしくなかったらルーターの設定も見直してみましょう。自分が触ったつもりがなくても子供が勝手に変更したり、Wi-Fiルーターの場合でパスワード設定がおろそかになってたりすると近所の人が不正アクセスしてという事もなくはありません。
ルーターの設定画面へのアクセスの仕方はお手持ちのルーターの説明書を参考にしてください。家庭用のルータならルーターのIPアドレスにブラウザでアクセスすると設定画面に行けるものが多いと思います。
- ローカルネットワーク設定
家にネットワークが1つしかなくて(ルーターが1つしかなくて)、なおかつDHCPが稼働している場合は、ルーターのローカルネットワーク設定が原因でネットワークが不通になることは少ないと思いますが、設定内容によっては接続できなくなります。
- グローバルネットワーク設定
プロバイダ用のアカウント名やパスワードを入れるところです。複数設定を持てるようになっていて、昔のエントリーに間違えて切り替えてしまったりすると、インターネットだけつながらなくなります。
- NATがオフになっている
IPv4で運用している際にインターネットだけつながらないという症状になります。「アドレス変換」と名付けられていることもあります。さらに、NATにも種類がいろいろあります。無効になっているからといって一概にそれが原因だとは言い切れません。いったん有効にしてみて効果がなければ元に戻してください。
- DMZ機能が有効になっている
DMZ機能はインターネット側からくるデータを内側の特定のアドレスに転送する機能です、なにかの拍子で設定がされてしまうと通信が意図しない場所へ転送されてしまい、インターネットからのレスポンスが受け取れなくなってしまいます。
- DHCP
端末側の確認事項にも出ましたが、家庭用の端末は利用時にDHCPという機能でIPアドレスを取得しています。端末側がDHCPがONになっていても、IPアドレスを割り振る側がONになっていなければIPアドレスは割り振られません。
また接続端末が多すぎてルーターに払い出されるべきIPアドレスがなくなると、IPアドレスが取得できない新規の端末はほかのどの端末とも通信できなくなります。
払い出しアドレスがなくなった場合は、ルーターの設定から払い出し範囲を変更できますので多くするか、リース期限を短くして回収するようにします。
端末側で固定IPアドレスを利用している場合は、DHCPサーバーが渡そうとするアドレスと重なるとどちらかは通信できなくなります。これはDHCPと固定アドレス間だけでなく、固定アドレス同志でも起きます。また、DHCPサーバーが2つ存在する場合で、払い出されたアドレスが重複してしまうということもあります。
- DHCPで送信する設定
DHCPでは端末に割り当てるIPアドレスだけでなく、ゲートウェイ(ルーターであることが多い)のアドレスや、DNSのアドレスも通知します。これらの値がおかしいと受け取った方は正しい通信ができなくなります。
- MACアドレス制限
主にWi-Fi接続時ですが、MACアドレスによる接続制限ができるルーターで意図せず制限がONになってしまったということも考えられます。
- ルーターのファイアウォール
家庭用ルーターならこれが原因になることは低いですが、ルーター側のファイアウォール設定によりインターネットにつながらなくなることもあります。
- プロバイダの契約期限切れ
プロバイダを変更したのに設定を変更せずに、そのまま使っているとこのようなことが起きたりします。
疎通確認
Windows10ではコマンドプロンプトからPingというコマンドを使って対象の端末からどこまでつながるかを確認することができます。ネットワーク不通の原因探しの手がかかりになります。
スタートボタン→Windowsシステムツール→コマンドプロンプトでpingコマンドを実行します。上段がIPv6で下段がIPv4です。
ping 127.0.0.1
自分に対してのネットワーク接続ができるかどうかチェックしています。この内容でどちらも応答がかえって来ない場合は、筆者にはお手上げです。
ルーターまで通信できるかどうかチェックします。つながらない場合はPCかルーターの設定か、経路途中の配線やハードウェアに原因があると予想されます。
GoolgeのPublic DNSサーバーまで通信できるかチェックします。ルーターまでつながってこれがつながらない場合は、ルーターの設定に原因がある可能性が高いです。
8.8.8.8までつながって、これでつながらなくなる場合はほぼDNSサーバーの設定が原因です。PC側でDNSサーバーのアドレスを8.8.8.8にして接続してみてください。おそらくつながると思います。