PCの水冷装置が壊れたので空冷に
先日管理しているサーバーの電源が落ちていて、なにかあったのか?と電源を再び入れてみると何やらなじみのないメッセージが出ていました。
(Press <F1> to override boot suppression, or <F2> to enter Set Up...
「Water pump」って日本語に訳せばそのままポンプなんだろうけどサーバーにそんなものついているはずないし、なにかの暗喩かなとか考えていたのですが、小一時間考えた末「水冷システム」のことだと気づきました。
筆者はいままで水冷PCに触れたことがありませんでした。今回故障したサーバーのメモリを変えたことはあったのですが、その時にも気づきませんでした。まさか水冷サーバーがこんな身近にあったとは。
それでケースの中の様子をみると、クーラントが漏れて下に垂れている状態でした。ポンプが動かなくなって水が漏れたのか、水が漏れたせいでポンプが故障したのかどちらかはわかりませんが、とりあえず水冷装置を空冷装置に交換しました。
空冷装置
不要になったPCからヒートシンクと台座を取り外して付け替えようとしたのですが、基盤の穴の位置がちがっているに加え、基盤上のICやコンデンサなどが干渉してとりつけられませんでした。
最初にはずした方は台座がピン式になっていて、基盤をケースから外し、白い抑えピンを抜いた後に裏側からピン先をすぼめて押し出しました。
次にはずした方はレバーを半時計回りに回転せると上に引き上げられる形式になっているピンで、ピンを引き上げた後にヒートシンクごと持ちあげると外れました。
この外し方は、壊れた水冷式のサーバーも同じでした。水冷式はさらにここからケース背面のファンに向けてホースが伸びているので、先にファン側を外しておきましょう。ホース内にクーラントが残っていると基盤の上にこぼれたりしかねません。ホースにひびがあったりなくても取り外しで入ったりすると危険です。注意しましょう。
サイズがあわず取り付けられなかった方↓ 利用した方↓CPUクーラーを取り外した際は、ヒートシンクとCPUの間に放熱用のCPUグリスを塗布します。先にグリスがぬってあればきれいにふき取ってから作業をします。この時、基板や衣服にグリスがつかないように注意しましょう。価格は高いものから安いものまでいろいろありますが、筆者にはそれらの違いがよくわかりません。「サンワサプライ」の 「シリコングリス」が安いのに加えメーカーの名前も通っているのでよく使います。
グリスはヘラなどで薄く均一に塗り広げます。その上からそっとヒートシンクを載せ固定させます。
水冷装置を取り付ける場合は、実際に取り付けて稼働させる前に、テスト環境で水漏れ試験をする必要があるようですが、今回は空冷への変更でなので不要です。空気の流れの確認して意図したように排熱できているかの確認は必要です。
交換後の確認
CPUの温度を測るのにはHWiNFOを利用しました。インストール不要で使えるPortable版がある上に32bit Windowsにも対応しています。
このツールはCPUの温度だけでなく、ほかのさまざまなシステムの状態を確認することができます。実行には管理者権限が必要です。立ち上げると、
Portable for Windows(32/64bit)の「Free Download」から「Local(U.S.)」を選択するとダウンロードが始まります。
ダウンロード後、ファイルを展開するとアーキテクチャ(32or64)別に実行ファイルがあるので実行します。バージョンによりWindows SnartScreeb(マルウェア実行防止フィルター)が警告をだすことがあります。各自のの判断で実行してください。
起動後すぐに表示されるウインドウを閉じ、「Sensors」という温度計の絵ボタンを押します。表示されたウィンドウの下の方にCPU温度が表示されます。これをしばらく起動させたままにして、MAX(最大値)の温度を監視します。CPUの種類にもよりますが~70度ぐらいまでが適正な温度です。
CPUの適正温度を維持できるようなら取り換えは無事完了です。
CPUクーラーの選び方
あとになって知ったのですが、CPUやボード別にCUPクーラーの取り付けサイズが違うようです。
ボードへ取り付ける際の穴の位置だけでなく、ボード上のチップやコンデンサの干渉や、ヒートシンクやファンがケース内にちゃんとおさまるかも確認する必要があります。