キッチンの壁付け混合水栓(蛇口)の取り換え
キッチンの蛇口に浄水器を付けようと思ったのですが、先端の形状が浄水器と相性が悪いらしく水漏れします。アタッチメントを変えてみたり、シールテープを巻いてみたりしましたが改善しません。
蛇口も古いことなので、思い切って取り換えてみることにしました。筆者はDIYアドバイザの資格を持っていて、交換方法は知識としてありましたが、水漏れが怖くていままで一度もやったことがありませんでした。
余談ですが、リスク管理の観点からすると「失敗する確率×その際の修繕費+自分で作業する場合の材料費」と「最初から業者に依頼した際の費用」を比べて安くなる方を取るらしいです。筆者の場合はそんな細かな計算までしていませんが、迷っている方への参考までに。
交換用の混合栓の購入と道具の準備
必要な道具は、マイナスドライバーと大きめのモンキーレンチか、モーターレンチです。レンチがない場合はウォーターポンププライやでも代替できます。ただし傷がつきやすいので注意が必要です。
また万が一の際に備えて対辺12mmの六角レンチもあると安心です。
筆者の場合は中サイズのモンキーレンチがあったので通常はそれを利用し、サイズの大きいところはウォータポンププライヤを使いました。
蛇口(水栓)を購入する前にサイズを測っておきましょう。湯と水の2本の水道管間の長さを測って下さい。たいていは問題ないと思いますが、市販されている水栓では対応できない場合もあります。
混合水栓の購入時は、製品が先に測った湯と水の水道管の並び幅に適応するかをチェックします。
また、混合水栓には「簡単取り付け」タイプが存在します。筆者はそちらを選びました。クランク角度が後から調整できるので難易度が下がります。何が難しいかわからないという人もこちらを選んでおいたほうがいいです。(詳細はこの記事の後半で説明します)
取付が簡単な製品には、SANEI製品だと「ベンリー偏心管」、KAKUDAIの製品だと「回転クランク」といった表示がされています。
筆者の場合ホームセンターの店頭に混合栓を買いに行ったのですが、その店では「水栓交換工具一式の無料貸し出しサービス」をしていました。家に工具がなければ利用するのもいいですが、後のメンテナンスを考えると基本的な工具は揃えておいた方がいいと思います。
作業時に必要になる消耗品に「シールテープ」があります。水栓に同梱されている場合もありますが、今回筆者が購入したものには入っていませんでした。高いものではありませんし、失敗して足りなくなることも考えられるので買っておきましょう。
言い忘れていましたが、交換時に水道の元栓を止める必要があります。元栓の場所がわからない場合は前もって確認しておきましょう。元栓を止めるのに工具が必要な場合もあります。
事前準備チェックシート | ||
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工具:マイナスドライバー | ||
工具:モンキーレンチ(広口) | ||
購入:本体(簡単タイプがおすすめ) | ||
購入:シールテープ | ||
確認:水道管の間の幅を計測 | ||
確認:水道の元栓の場所 |
古い混合栓のとりはずし
物と道具が用意できたら交換作業の開始です。時間に余裕をもって始めましょう。筆者の場合は、万が一の際に連絡する水道屋さんの連絡先を控え、その営業日中の早い時間に行いました(笑)
まず、水道の元栓をとめます。作業中に雑巾で水拭きしたかったり、手を洗いたくなったりするのに備えてバケツか風呂おけに水をためておきましょう。
元栓の場所は、たいてい家の敷地内の建物の近くの鉄製のボックスの中にあります。ただ土や砂利に埋もれていることもあるかもしれません。料金確認の際に開閉しますので、係の人に聞いてみるのもいいでしょう。
元栓を止めたら、水道の蛇口をあけ水が止まっている事を確認するのと同時に水道管に残っている水を外に出します。その後古い混合栓を取り外します。
混合栓は本体部とクランク部に分かれています。まず、本体部から先に取り外します。広口のレンチがあれば楽なのですが、筆者はなかったのでウォーターポンププライやでつかんで回しました。ウォーターポンププライヤを使う際はあて布等をすると傷つきにくくなります。
本体が取り外せたらら、今度はクランクを取り外します。このクランクの取り外しが前半の山となります。基本的に時計と逆方向に回せば外れるのですが、硬くて回らないことが多いです。
壁の内部にある水道管がきちんと固定されていないこともあります。力任せにやって水道管を痛めるとDIYでは修復不可能になりますで気を付けましょう。
基本は手で回します。固くて回らない場合はモンキーレンチを使って中心を意識して二本の手で回します。
無事クランクが取れたら、水道管側に残っているゴミや汚れ、シールテープの残骸を取り除きます。継ぎ足し用の短い水道管をザルボといいますが、これが使われていて一緒にゆるんでしまったらザルボもつけなおさなければいけません。そのまま締めると水漏れの原因となります。
一部に外側に六角がついている物もあるようですが、ザルボは管の内側に6角レンチがはまるようになっています。一般的な家庭の水道管(呼び径13)のザルボ用六角レンチは対角12mmのものです。これを使ってザルボいったん外しましょう。
筆者の家の水道管には幸いザルボがついていませんでした。ザルボ基本的な取り付け方自体は次に紹介するクランクの取り付け方と同じ要領です。サイズの合う6角レンチがあるなら元の水栓とザルボを取り付けた後にクランクを。なければクランクにウォーターポンププライヤ等を利用してザルボを付けた後に、クランクと一体となったザルボを水道管に連結します。
クランクを取り付ける際はまず高さ調整をします。シールテープを使わいない状態でクランクをねじ込み左右のクランクの高さが揃うか確認します。高さがそろわない場合は高い方に合わせます。高い方を先に取り付け、低い方は高い方に合わせて途中でねじ込みを止めるようになります。また、クランクは湯と水で種類が違う場合があるので注意しましょう。
高さの確認が終わったら、クランクを取り付けていきます。おそらく一連の作業で最大の難所だと思います。
シールテープを7~10回ぐらいクランクのねじ山に食い込ませるように巻き付けます。巻きつけたら、高さを確認した際に高くなった方から水道管に接続します。(同じ高さだったらどちらからでもいいです)。ねじ込みすぎに注意して固くなったところで止めましょう。高さに差があって低くなった方を取り付ける場合は、高い方と同じ高さで止めてください。
これらの作業で、気を付けないといけないのは、ねじを戻してはいけないという事です。少しでも戻すと水漏れ防止用のシールテープが緩んでしまい水漏れにつながります。もしも戻してしまったら、シールテープを巻きなおすところからやり直しです。
こうしてねじ込んだ際、クランクが元あったようなハの字になっていないのに気付くと思います。ここで「簡単取り付け」の威力が発揮されます。ねじ込んだままの状態でクランクの角度を変更できるのです。
ちなみにプロの水道屋さんは、ねじ込み回転数から逆算して思った位置にクランクを止めることができます。シールテープの存在がなければ素人でも何度かやって調節することができますが、一度緩めたらまき直しのシールテープの存在がこの作業を難しくしています。
購入した水栓と同じ幅のハの字ができたら、水栓を取り付けます。クランクの位置だけしっかり決まればあとは取り付けだけの簡単な作業です。取付できたら、元栓を開け水漏れがないかを確認しましょう。
水量を調節したいときにはクランクの中心のねじを回します。締める(時計回り)と水量が少なくなります。湯温が熱すぎる場合は湯の水量だけ減らすことによってぬるくすることができます。