Debianをインストールする
速度や時間制限可能なWi-Fi構築 No.1
フリーWi-Fi設置する際、解放するのではなく皆に公平に使ってもらえるように時間制限をしたり、使う前の注意書きやカフェのメッセージなんかも読んでもらいたいと考えています。
そのためのPC設定をします。使用するOSはフリーOSのDebian(デビアン)です。
ここではDebianのインストールの履歴を書いています。
ちなみにここで書かれている作業をするにはWi-Fi管理用のPCとは別にPCが必要です。
ゲートウェイPC
まず、お客さんの端末を管理するPCを用意・設定します。
Windows
Vista世代の能力があれば充分です。おそらくXP世代のものでもなんとかなるでしょう。
大きさや消費電力が気になるようならラズベリーパイでも作れそうです。
ラズベリーパイでのゲートウェイPCの作成もいつか紹介しようと思っています。
もし、いまから中古PCを探す場合は次のことを気にするといいでしょう。
- デスクトップPCを推奨します。
- 電源が入るか(あたりまえのことですが)。古いPCは動いても電源周りにダメージがあるものもあります。
- ハードディスクがついていて稼働に問題ないか(40Gぐらいあればいいです)。
- メモリがついていて稼働に問題ないか(512M-1Gぐらいあればいいです)。
- 有線LANアダプタはついていて稼働に問題ないか。2つあればなおいいです。
- CD/DVDドライブがついていて稼働に問題ないか。
- USBポートがついていて稼働に問題ないか。
- マザーボードにPCIかPCIeスロットがあるか。(USBでも代替可能です)
- CD/DVDドライブがない場合は外付けディスクドライブやUSBメモリでも代替できます。
- OS(Windows)は不要です。
- 32bitか64bitかは確認しておきましょう(あとでOSをインストールをする際に判別が必要です)
- わかればCPUのメーカーを確認してIntelかAMDのものにするとトラブルが少ないと思います。
有線LANポートが2つ確保できCD/DVDが動けばUSBポートは不要ですが、あって動かないものはマザーボードに電気的損傷があった可能性が高いので購入は避けた方が無難です。
筆者はIntel系32bit機、ハードディスク120G、メモリ1Gで構成しました。Windows
Vistaが入っていたPCです。
ゲートウェイPCの役割は、おおむね次の通りです。
- ユーザーにIPアドレスを設定(DHCP機能)
- 入口ホームページを表示(Webサーバ機能)
- 許可したユーザの通信を中継(ルータ機能)
- 設定時間が経過した端末の中継をやめる(ファイアウォール機能)
PCにOSをインストールする。
フリーで使用できるOSのDebianをインストールします。
GUI環境もインストールできますが、今回はCUI環境しています。
今回の設定に関しては、GUIにしてもさほど操作性がよくならないのに加えOS自体でCPU等の資源を食ってしまいますので。
- OSのダウンロード
Debianのページでネットインストール用のisoデータをダウンロードします。この作業は現役で稼働しているPCで作業してください。
必要に応じて必要なデータを追加ダウンロードするネットインストールイメージだとCDに焼けるサイズなのでおすすめです。
使用するPCが32Bitなのか64Bitなのかでファイルが変わります。また、CPUメーカによってもファイルが分かれる場合があります。
一般的なPCだったら32Bit機は「i386」、64Bit機は「AMD64」を選べば大丈夫だと思います。
USB経由のインストールの場合もCDとは少し流れが変わりますので、その場合は公式ページを参考にしてください。
- ISOイメージをディスクに焼く
ダウンロードが終わったら、Windows10ならISOファイル右クリックから「ディスクイメージの書き込み」を選択してください。
手持ちのPCにISOを焼く機能がなければBurnAware Free等をインストールして焼いてください。 - ディスクを入れてPCを起動する
ここからは用意した管理用PCで作業を行います。
CDから起動できない場合は、BIOS(バイオス)の起動順位の設定を変更してください。
BIOSの設定に関してはPCメーカーのページを参考にしてください。筆者の経験則では電源を入れた際にF2やDELキーを押すとBIOSメニューになる機種が多いです。
初期画面がでたら「Install」を選びます。
ネットインストールではインターネット接続が必要なので、ここでLANケーブルをさした状態にしてください。
最初からIPを割り振ることもできますが、一度既存のネットワークに接続してインストールした後でIPを変更するとう方法をとります。
- インストール作業
基本的にガイドに従って進めていけば問題ありません。
矢印キーで選択してEnterキーで選択します。ESCキーで戻る、Tabキーでカーソルが移動すると思います。
ディスクは中には必要なデータが入っていない前提で話を進めてます。何かしらほしいデータがある場合は操作しないでください。
一旦既存のネットワークにつなげてインターネットに出ますので通常はDHCPで設定されますが、固定アドレスで運用している人はここで手動でネットワーク設定を入れます。
既存のPCの名前と重ならなければ名前はHOST名は何でも構いません。rootのパスワードは管理者パスワードになります。後で使いますので覚えておいてください。次にrootのパスワードとは別に通常使うユーザー名とユーザーパスワードを入力します。こちらは通常のログインで使いますので、こちらも覚えておいてください。
ユーザー名の入力が終わると、前半の難所であるディスクのパーティショニングが出てきます。既存のディスクに何も書き込まれていない状態なら特に問題はおきません。「ガイドによるパーティショニング」「ディスク全体を使う」「すべてのファイルを1つのパーティションに」を選んでください。別のCD/DVDうんぬんかんぬんは「いいえ」で読み飛ばしてください。
アーカイブミラーはざっくり説明するとアプリをダウンロードする先を選択するものです。基本は「日本」「deb.debian.org」を選んでください。
プロキシの設定は環境に合わせてください。普通は設定していないので空白でいいです。パッケージ調査はお好みで。
インストールするソフトウェアの選択では、スペースキーでチェックのON/OFFを入れ替えます。
*がONです。SSHサーバと、標準システムユーティリティだけにチェックを付けてENTERを押してください。
GRUBのインストールは「はい」を選択し、候補に示されているものを選択しましょう。
これでインストールは終了です。ディスクが排出されますので、取り除いた後「続ける」を押すと新しいOSが起動します。これで、先に設定したユーザー名とユーザーパスワードでOSにログインすることができます。