ACアダプターのコードをDIYで修理
猫や犬、ウサギなどのペットを飼っているとACアダプタのトラブルがたまにおきます。じゃれて配線をむき出しにされたり、切られてしまったり。
メーカーに修理を依頼するとだいたい新品交換になりますが、本体と比べて納得いかない値段であることがあります。
そういう場合に修理に出す前に、ダメ元で自分で修理してみようという話です。筆者の家でも犬が引っ張って配線がむき出しになったルンバのACアダプタがありましたのでこれを例に使います。
家電製品を自分で修理してもいいのか
家電製品を自分で修理してもいいのかという話が出るかもしれませんが、安全性などの諸問題があるかもしれませんが法律上は規制されていません。ただし家の屋内配線は別です。コンセントを含めて壁の中にある配線系は資格がないと触れません。
たとえば、天井に付ついている照明の配線を加工して引っ掛けシーリングに変えるとか、壊れてしまったシーリングソケットを取り替えるといった場合は、資格が必要です。
ACアダプタは自分で修理をすることはできますが、メーカーは推奨していません。下手な修理をすると、ACアダプタだけだった故障が本体にまで及ぶこともあります。そういう故障の場合にはメーカーも修理を引き受けてくれない事もあります。さらに感電や発火の恐れもあります。そのような事情を承知したうえで作業してください。
必要な道具
今回筆者が利用した道具は次の通りです。
- ニッパー
線を切ったり、電線の外側を切ったりしました。ハサミ等でも代用できると思います。
- ワイヤーストリッパー
電線の外側を剥ぐ道具です。なければカッター等でも代替できます。その場合は中の線を切らないようにしないといけないので少しコツが要ります。
- はんだごて、はんだ線
切れた電線を接着するのに使います。はんだ線は電気配線用のものを利用してください。あとくれぐれもヤケドには注意してください。
- ビニールテープ
はんだで接着した面を絶縁するのに使います。べとつくのが嫌なら自己融着テープやホットボンドなんかも検討してみてください。
筆者の場合
愛犬が咥えて落としたり引っくり返したりという事を繰り返した結果、ACアダプタの両側がねじ切れて、配線がむき出しになり、そのままではショートするようになってしまいました。
後で、開けなくても修理できたことに気付きましたが、アダプタの基盤部を開けてみました。「感電の恐れがありますので開けないで下さい」と書いてありました。これはコンセントから外れている状態でも中に電気が残っていることがあるからです。同様の作業をする際は注意してください。体に異常はなくても機械を壊すこともあります。ちなみにルンバのACアダプターはゴムの足のシールの下にねじ穴が隠されていました。これを緩めると蓋が開きます。
コードの修復をしていきます。筆者の場合、端子側、アダプタ側ともに根元付近で配線が断線していたので少し厄介でした。太くなった部分を剥いでもとの線を出します。そのうえで、中の導線を出し、はんだで接着し、ビニールテープで再び絶縁しました。
はんだ使用時のコツとしては、最初に両側の線にはんだを載せた後、突き合わせた状態ではんだごてをあてるとうまくいきます。基盤につながっている線を作業する時は、はんだごてを長く当てすぎると熱で基盤が壊れたりすることがあるので注意が必要です。
先端部の取り換え
マルツなどでは、アダプタの先端部をパーツとして販売しています。内径と外径が合えば、これを利用して基盤から先端までを取り換えてしまう方法もあります。筆者の持っていたルンバのそれは外径5.5×内径2.1mmだったのですが、本体100円を切る値段で売られていました。利用する場合はプラスとマイナスに注意して結線してください。
うまくいかなかった場合
筆者の場合幸運にもうまくいきました。しかしそうでなかった場合でもまだ代替案はあります。
そもそもACアダプターとは交流を直流に変える装置で、必ずしも機械専用のものを使わないといけないということではありません。条件さえあえば他で使わなくなったものでも代替できます。
まず自分の使っていたACアダプターの表記を確認してみましょう。
一番大事なのは電圧(V)です。これは低ければ動きませんし、高いと機械の故障につながります。小数点の表記があるならそこまで一致するのが望ましいです。
次は電流(A)です。これは低いとACアダプターを痛め故障の原因になったり機械が動かなくなったりします。しかし高い分は問題ありません。
端子の形状は規格というものが存在しないといっていいほどさまざまあります。間違えて利用されるのを防止する観点からこのように種類が増えたのではないかと筆者は思っています。一致しない場合は今使っているものを切り取って付け替えるという方法もあります。その場合次の極性にも注意してください。
極性も確認しないといけません。極性とはプラスとマイナスのことです。乾電池のあれと同じです。ACアダプタの端子は◎の形状になっています。この外側と内側でプラス極とマイナス極に分かれています。これもどちらが外側と決まっていません。極性はよく図で示されています。これだけが合わない場合は、配線を途中で切ってクロスして付け直せばいいと思います。