技適ー電波法違反をしないために
2022年の11月で旧規格の「特定小電力無線機器」が使えなくなるそうです。
2023年2月追記
「いち読者」様よりご連絡いただき、2023年の現在においても条件付きで(当面の間)旧規格の機器が利用できる期限延長措置が取られているそうです。先の資料のリンク先アドレスも合わせて紹介いただきました。ご拝読、ご連絡連絡ありがとうございました。特定小電力無線機器とは身近なものでいうと、Wi-Fiルーターや携帯・コードレス電話、マイクなどになります。
以前このブログでも紹介した、小型PCのラズベリーパイやタブレットをはじめ、近頃ではIoTでいろいろなものにWi-Fi通信機能が備わっていますが、それらほとんどがこれに該当します。
使用できなくなる機器の目安としては平成17年(2005年)のより前に作られたかどうかです。平成17年の法改正後の基準で「技適」を受けている機器ならそのまま使用できます。
そもそも技適とは何かという部分に触れながら、この話をもう少し詳しく解説していきます。
「技適」と「特定小電力無線器」
「技適」とは「技術基準適合証明・工事設計認証」の略です。他に同名の証明や認証があるのかは不明ですが、この言葉が出てきた時はほぼ電波法上のそれを指します。
無線電波を発生させる機器は、この証明を受けると「特定小電力無線器」として扱われます。
本来、電波を発生させる機器を利用する際は免許が必要です。無線局の免許やアマチュア無線の免許がそれにあたります。
ただ利便性を考え「特定小電力無線器」にあたるものに関しては、免許がなくても利用できるようになっています。
先に挙げたWi-Fiルーター、携帯・コードレス、マイクのほかに特定小電力無線機器として指定されているものは、トランシーバー、Wi-Fi機能付きプリンタ、ゲーム機、防犯カメラなどがあります。発生する電波が著しく微弱なものや、テレビの赤外線リモコンなどは「特定小電力無線器」にはあたりませんが、それらはもともと電波法の制限を受けません。
言い換えると、無線機器を免許を持たない人でも使えるようにするための審査が「技適」です。
技適では利用する周波数や電波の強さなどを確認し、日本国の電波運用に支障をきたさない機器であることが確認されます。基本的には、製品のメーカーが技適を受けることで、ユーザーがそれを無免許で使うことができるという流れになっています。
電波法違反
海外製品でも電波を出す機器を日本で無免許で使うためには技適が必要です。ネット通販では技適がない機器が普通に売られてたりします。技適を受けるのはメーカーだとしても、違法に機器を利用した時に罰せられるのはユーザーなので注意してください。
技適を受けていない機器で電波を発生させたり、2022年の11月以降も旧規格の機器を使用していた場合は「電波法違反」になります。この罰則・罰金は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」となっています。
技適とは関係ありませんが、Wi-Fiで5.3GHz帯(a,n,ac,axで利用される一部の周波数帯)の電波を屋外で受信することも電波法違反になります。詳細は総務省:「無線LANの屋外利用について」を確認してください。
使用中の機器が2022年11月以降も利用できるか
平成17年ごろに購入したコードレス電話や、Wi-Fiルーター、マイクなどが引き続き利用できるかどうかを調べるには、総務省:「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」で調べることができます。
技適マークの隣に記されている番号か、製品の型番を入れて検索すると内容が表示されます。
結果の「スプリアス規定」の箇所が「新規定」ならそのまま使えます。
技適マークは機器の見える場所に記されている場合もありますが、中の基盤にあることもあります(トップ画像)。ちなみに筆者の持っていた古いWi-Fiルーターは基盤内部にあった技適番号では検索にヒットしませんでした。無理に技適番号を探すより型番から調べた方がいいと思います。